岡倉葉子の経歴書

第6シリーズで、岡倉家の四女である葉子は宗方直之からプロポーズされ、それを承諾します。

しかし、葉子は宗方と結婚する気など、全くありませんでした。

葉子がプロポーズを断らなかったことには理由があります。

宗方は第4シリーズから登場した設計会社の社長です。

岡倉家三女の文子の夫である高橋亨の友人で、亨が脱サラして始めた自然食品の店「あさま」の共同出資者でもあります。

その当時、亨と文子は離婚していて、文子は宗方に対して好意を抱いていましたが、宗方にはその気が無く、むしろ、亨と文子がよりを戻すことに尽力して、見事に復縁させた人物です。

宗方は亨や文子との付き合いがあったため「おかくら」に顔を出していたことから、葉子と知り合いました。

そして宗方は葉子に別荘の建築を依頼したことから、仲が深まり、建築の仕事を依頼するようになります。

やがて宗方は、葉子の建築家としての才能を認めつつも、一人の女性として好意を抱くようになります。

第6シリーズでは、宗方が葉子に下田のリゾートマンションの仕事を依頼し、その仕事を進めている最中にプロポーズします。

葉子は、もしプロポーズを断ると、下田のマンションの仕事に影響が出ると考えて、全く結婚する気がないのに、とりあえずプロポーズを受けて、仕事が完了したら婚約を破棄するつもりでいました。

葉子が父の岡倉大吉にその旨を伝えると、まるで結婚詐欺だと言って怒り出し、猛反対します。

そして大吉は、五女の長子夫婦に宗方と葉子の婚約パーティーに出席するように説得されますが、結婚詐欺の片棒を担ぐようなことはできないと言い張ります。

また、婚約パーティーは、宗方と葉子を祝ってもらう以外に大きな目的がありました。それは下田のマンションを建築するにあたり、銀行からの融資を受けなければなりませんが、そのための信用を得ることだったのです。

パーティーには経済界の大物なども出席し、最終的には大成功して銀行から融資を受けられることになりますが、その策略も大吉は気に入らなかったようでした。

大吉はとうとう婚約パーティーには行かずに、代わりに長子夫婦が出席しました。

パーティーは無事に終わり、その後、葉子はいつ、どのように婚約破棄をするのか楽しみにしていましたが、意外な展開が待っていました。

宗方はレストランで、葉子が下田のマンションの仕事を円滑に進めるためにプロポーズを受け入れたことも覚悟していたことを話し、再度、葉子にプロポーズをします。

つまり、本心では結婚する気がないことも視野に入れていたのです。

すると葉子は少し考えさせて欲しいと言いますが、その日のうちに、あっさりプロポーズを断ってしまいました。

そして、今までと同じように仕事のパートナーであり、良いお友達の関係を続けることで同意しました。

葉子は全く結婚する意思がないにもかかわらず、仕事のために宗方のプロポーズを受けて、高額なダイヤの指輪までもらっていました。

これは結婚詐欺になるのでしょうか?

結婚詐欺とは本来、「結婚の約束をして相手を信用させて、金品などを騙し取ること」ですが、指輪をプレゼントされたり、仕事をうまく進めるためにプロポーズを受けていますので、詐欺罪になるか微妙なところです。

しかし、宗方も葉子が仕事のために結婚をOKしたことを覚悟していましたし、婚約パーティーによって銀行からの融資を受けられて、大きなメリットがありましたので、訴えるようなこともしていません。

そのため犯罪にはならないでしょう。

もし、本気で結婚してくれると信じていたとそても、訴えるような性格の男ではありません。

別の人なら大喧嘩になったり、訴えているかもしれませんが…

しかし、宗方も葉子の気持ちを知っていて、婚約パーティーを開催して銀行の信用を取り付けたわけですので、むしろ宗方が結婚詐欺に近いことをしたかもしれませんね。