野々下加津は第4シリーズから登場した小学生の女の子です。
行き場がなくなり幸楽(小島家)に引き取られ、五月、勇、愛、眞には可愛がられますが、キミや聖子には嫌われます。
加津が小島家の居候になった理由は、勇の妹の邦子が野々下長太と再婚したことが原因です。
邦子と野々下長太はクレーンの仕事を通じて知り合い、バツイチ同士、お互いに惹かれ合って一緒になります。
邦子には元夫(小川)との間にできた隆とミカという2人の子供がいますので、野々下と合わせて4人で生活することになりました。
しかし、突然、野々下長太の子供だという加津が現れます。
加津は野々下長太と離婚した元妻(みのり)との間に産まれた子供で、加津は離婚した際に母のみのりに付いていきますが、みのりの新しい男に邪魔者扱いされて行き場がなくなり、父の長太を頼ってきたのです。
野々下は加津も一緒に住むことを考えますが、これに邦子が大激怒します。
「野々下に子供がいるなんて聞いてない!」と言って、加津と一緒に住むことを強く拒否します。
また、加津のほうも邦子を嫌っていました。
その状況を見ていた五月は、どこにも行くところがない加津が気の毒になり、幸楽で引き取る決意をします。
これが加津が小島家に居候することになった経緯です。
加津はとても頭が良いのですが、友達付き合いが下手で、学校でも浮いている存在でした。
しかし、小島家では家事や幸楽の仕事を手伝うなど、とても良い子です。
加津は「私にはお父さんもお母さんも居ないと思っている。ずっと幸楽の子でいたい」「お父さん(野々下長太)は、隆君とミカちゃんの良いパパをやっていればいい」と言うのが口癖でした。
ところが、この加津はとても気が変わりやすい性格で、「あれ?」と思うことがあります。
それは第5話で、隆と眞が高校受験のシーズンを迎えていた時のことでした。
邦子は隆を名門校に入学させるために一流の塾に通わせていて、受験にも当然合格するだろうと思っていました。
ところが、希望していた私立高校がみんな不合格になり、邦子は慌てます。
残っているのは公立高校の受験だけでした。
それに対して隆は、野々下との再婚が気に入らなくて、わざと不合格になったと言います。
そして野々下に対して、「こんな奴は父親なんかじゃない」とまで言って嫌います。
ついには、邦子と野々下が離婚することを条件に、隆が真面目に公立高校の受験をするという約束をしました。
隆は公立高校には何とか合格し、隆、邦子、野々下はホッとします。
野々下と邦子は隆との約束通り離婚しようとしますが、実は隆は野々下を嫌っていなかったのです。
むしろ、男として尊敬していて、受験に失敗したのを野々下のせいにするたけに嘘を付いていたのでした。
隆は野々下に謝罪し、離婚しないで欲しいと言い、野々下はそんな隆の気持ちを理解して許します。
ところが、邦子は隆に大激怒します!
「謝って済む問題ではない」と…
しかし、眞が「邦子おばさんが隆にプレッシャーをかけたからこうなった。隆も辛かったんだ」と言うと、みんなが隆の気持ちを理解して、離婚はしないことになりました。
これに穏やかでなかったのが加津です。
野々下と邦子が離婚すれば、加津は父と一緒に暮らせると思っていたのに当てが外れて、「大人はみんな嘘つきだ」と言って落ち込みます。
加津はもともと、「ずっと幸楽の子でいたい」と言っていたのに、何でこんな落ち込む必要があるのでしょう?
野々下は隆とミカの父親をやっていればいいとまで言っていたのに。
加津に限らず、渡鬼は登場人物の気持ちがコロコロ変わることが頻繁にありますね!