大井貴子の性格が悪くなったのは、なぜ?

大井貴子は、渡鬼の第9シリーズで小島眞の婚約者として初めて登場します。

最初はとても明るくて、素直で積極的で素敵なお嬢さんでしたが、第10シリーズでは別人のように性格が悪くなり、最終回後に何度も放映されているスペシャルでも、登場する度にどんどん性格が悪くなっていくような気がします。

なぜ、これだけ性格が悪くなったのでしょう?

馴れ初めは、眞が東大時代に受験を控えた大井輝の家庭教師のアルバイトをしたことでした。

その際に、眞が熱心に指導したこともあり、輝(ひかる)は成績がアップし、無事に希望の学校へ合格できたことから、大井家では眞の事を気に入り、大井の家族とも親しく交流するようになります。

大井家には眞と同じ年頃で、輝の姉の貴子がいますが、貴子と眞はお互いに相手を好きになり、やがて結婚を前提に交際するようになりました。

これが貴子との出会いです。

また、大井家の主人で貴子の父である道隆は大井精機という会社の社長であり、眞の人柄と能力を見込んで、大井精機に入社するように勧めます。

眞は東大生ということで、それまで就職活動で何社も一流企業の内定をもらっていましたが、大井精機の業績や経営方針などに感銘して、内定していた企業を断り、大井精機への入社を決めます。

その後、眞は大井精機という会社のことを知るために、輝の家庭教師を辞めて、社長である道隆のカバン持ちのアルバイトをするようになりました。

これで眞は就職先と将来の伴侶を射止めるわけですが、これに眞の母である小島五月が猛反対します。

反対する理由は、せっかく一流企業の内定を勝ち取ったのに、無名である大井精機へ就職することに納得できなかったからです。

また、眞が貴子に惚れたことで大井精機への就職を決めたのではないかと思い、貴子との交際にもいい顔をしていませんでした。

その後、眞は、自分の事で両親の夫婦関係まで悪化させたことを知り、大井精機への就職や貴子のことを諦めます。眞は大井精機のアルバイトを辞めました。

しかし、それ以来、眞は元気がなくなり、部屋に引きこもるようになってしまいました。

そんな中で貴子は幸楽を訪れ、五月の誕生日に指輪のプレゼントを持ってきます。五月はわざわざ自分の誕生日を覚えていて、プレゼントをくれた優しい人柄に感激し、貴子を好きになります。

次の日、五月は大井道隆(社長)の元を訪れて、眞を再び社長のカバン持ちのアルバイトをさせてくれるように頼みにいきました。

大井精機への就職に賛成する気持ちになったのです。

すると、五月の気持ちが社長と眞へ伝わり、眞は再び大井精機のアルバイトをすることになります。

そこで1度は眞と貴子の交際を認めた五月ですが、今度は貴子の母である直子と、眞を婿にやるかどうかで母親同士で対立するようになりました。

そのため、また貴子との結婚に反対するようになります。

五月は、仲を壊すために、貴子に幸楽の仕事を手伝いに来させることを思いつきます。

「眞と結婚することは、幸楽の長男の嫁になることなので、将来、店を手伝わなければならない時が来るかもしれない」という口実で、眞に貴子を手伝いに来させるように言います。

眞は貴子に五月の意向を伝え、それが貴子の母の直子の耳に入ると、直子は幸楽に行き、貴子に手伝わせる気がないことをハッキリと伝えます。

ところが、貴子は直子とは正反対の考えで、その数日後に幸楽を手伝いに来ます。

しかも、やる気満々で、誰よりも先に動いてテキパキと仕事をこなしました。

五月は貴子が幸楽の重労働が嫌になって、眞との結婚を諦めると思って期待していましたが、完全に当てがはずれます。

その後、貴子は勇の「おやじバンド」のマネージャーをやったり、岡倉家の五女である長子の引越しの手伝いをしたり、大井家よりも小島家との付き合いを大事にする姿を見て、貴子に惚れこんでいきました。

そんなある日、大井精機が海外ファンドに買収され、道隆は社長の座を追われることになります。

失業した道隆は妻の直子と離婚し、財産も妻がすべて持って行ってしまいました。

道隆は丸裸になりましたので、貴子に直子や輝のところへ行くように言いますが、貴子は道隆と一緒に暮らしたいと言い張ります。

そんな貴子を五月は愛おしいと思い、ますます貴子を好きになります。

貴子は財産も仕事もなくなった道隆のために、眞の紹介で「おかくら」で働くようになり、おかくらでも眞の婚約者として大事にされました。

しかし、道隆は中国で仕事が見つかり、中国で働く旨を貴子に告げると、一緒に行くと言い出します。

道隆は貴子に日本に残って小島家に世話になるように言いますが、貴子の意思は固く、2人で中国へ行くことになりました。

貴子と道隆は日本を離れ、中国で暮らすことになります。

以上で第9シリーズが終わりますが、貴子は本当に良いお嬢さんで、小島家や「おかくら」の人達もみんな好きになります。

ところが、第10シリーズに登場した貴子は全くの別人になっていました。

貴子は中国から道隆と共に帰国しますが、道隆が脳梗塞になり、体が不自由で寝たきりになっていました。

そのため、父との生活を支えるために夜勤の警備のアルバイトをしていたのです。

貴子が日本へ帰ってきていることを知った五月は、住んでいるアパートを訪れ、脳梗塞で寝たきりの道隆と再会を喜びました。ところが、そこへ貴子が帰ってくると、五月に冷たい態度を取り、すぐに帰るように言います。

今までの貴子では考えられなかったことです。

その後、貴子は五月の口利きで、再び「おかくら」で働くようになりますが、病気の父がいるので、眞と結婚する気がないことをハッキリ言います。

また、眞が寝たきりの大井社長のマンションへ果物を持って見舞に行っても、貴子は中に入れてくれずに帰るように言ったり、とても性格が悪くなりました。

眞と結婚する気がないといっても、貴子の態度があまりにも酷すぎます。

しかし、最終的には眞と貴子は結婚することになりますが、状況が変わると人間はこんなにも性格が変わるものでしょうか?最終回では眞と貴子の結婚式が盛大に行われます。

そして、その後のスペシャルでも貴子の性格は悪いままで、第9シリーズのような明るくて素直で積極的な貴子ではありません。

小島家との関わりを避けたり、五月とイザコザを起こしたり、眞との間に生まれた赤ちゃん(香)の育児放棄をするなど、嫌な女になってしまいました。

最新のスペシャルでも五月は「眞が貴子と離婚して帰ってきて欲しい」と思っているようです。